理系の目で斬る マスコミの科学報道にだまされるな

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zoom RSS JR西日本 新幹線のぞみの重大インシデントの報道について

<<   作成日時 : 2017/12/21 21:00   >>

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 12月11日に発生した新幹線『のぞみ』の重大インシデント。

 走行中に異音発生し、一度は技術サイドから停止しての確認を求めたにもかかわらず、東京の運行指令が継続運転を指示し、JR東海への引継ぎでは乗務員が虚偽の内容を伝えたため、異音、異臭の中、運転を続け、やっと名古屋で停止した。

 JR西日本の当該望みの乗務員と東京の運行指令は殺人未遂だと思う。保守担当社員は一応運航停止を指示したらしいが無視され、その立場の弱さも感じられる。

 そんな状況は明らかになったが、19日に当該部品の絵と亀裂が表示された資料が発表された。
 www.westjr.co.jp/press/article/items/171219_01_betu1.pdf

 これをみた、マスコミの発表は。
毎日新聞
『同社によると、台車枠は板厚8ミリのコの字型鋼材を溶接したもので断面の大きさは縦17センチ、横16センチ。鋼材の底面は全て裂け、側面の亀裂はそれぞれ下から約14センチ進み、両側面はあと3センチを残すだけだった。亀裂で台車枠はゆがんだため、モーター回転を車輪に伝える「継ぎ手」がずれ、変色などの異常につながった。』

産経新聞West
『車両を所有するJR西日本は19日、台車の亀裂の長さが底面で16センチ、側面で14センチに達していたと明らかにした。』

東京新聞
『台車枠の亀裂の長さが底面で16センチ、両側面でそれぞれ約14センチに達し、コの字形につながっていたと明らかにした。』

読売新聞
『亀裂の長さは鋼材製の台車枠の両側面17センチ中14センチに達し、底面(幅16センチ)は完全に割れていた。あと3センチ亀裂が進めば、台車枠は破断するところだった。亀裂幅も最大で1・3センチに達していた。』

時事通信
『亀裂の長さが台車の枠の底部から両側面にわたる計44センチに達していたと発表した。全周の3分の2にわたり、ほぼ破断寸前の状態だった上、車軸が台車枠を支える部分の近くで発生しており、破断していれば脱線に至った可能性があるという。
 記者会見した吉江則彦副社長は「新幹線の安全性に対する信頼を裏切り、深くおわびする」と陳謝した。
 JR西によると、台車枠は鋼材製で、断面が幅16センチ、高さ17センチのほぼ正方形。鋼材は厚さ8ミリで中空になっている。亀裂は枠の内側と外側の面でそれぞれ下から約14センチに及び、底部でつながってコの字形になっていた。裂け目の幅は最大で1.3センチあった。』

共同通信
『 博多発東京行き新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかった問題で、車両を所有するJR西日本は19日、台車枠の亀裂の長さが底面で16センチ、両側面でそれぞれ約14センチに達し、コの字形につながっていたと明らかにした。破断寸前の事態で、記者会見した吉江則彦副社長は「極めて重大なインシデントで、新幹線の安全に対する信頼を裏切るもの。深くおわび申し上げる」と陳謝した。』

今調べられる主なものを示したが、私が注目したのは、時事通信。太字の部分の「44cm」だ。

TBSラジオの朝の「Stand-by」の遠藤泰子がメインのニュース原稿以外でこの「44cm」という表現をして、なんだ?とおもっていたのだ。

 上記各社の原稿で44cmの表現は時事通信だけ。他社は、底面16cm、側面両側14cmと表現しているし、それは、元のJR西日本の発表内容に従っている。JR西日本の発表資料には「44cm」という表現は使われていないのだ。

 つまり、これは、時事通信が、記事をセンセーショナルにしたいがため、各亀裂を足して16+14+14=44と表現したようだ。しかも、時事通信はJR西日本があたかも「44cm」と発表したかのような原稿になっている。これこそ、マスコミの印象操作の現場に出会った気分だ。

 JR西日本の発表原稿では、車輪4つを一組とした台車の内一つの車輪を固定する部分が対象部分。ここで、よくわからないのが、当該部分が四角柱か上面が開いたコの字型かということ。JR西日本の絵では四角柱でどこにも面があるように見えるが、毎日新聞の記載が「板厚8ミリのコの字型鋼材を溶接したもの」とあり、他社にはこの表現はない。亀裂がコの字という表現と何か勘違いしていないだろうか。

 おそらく四角柱の断面を持つ鋼材の底面すべてと側面の17p中14pに亀裂が発生した、ということだと推定する。

 さて、ここで、今回の報道で気になるのが、「残り3cmで全て破断」というような表現が多いことだ。

 しかし、これも問題を大げさに言いすぎている。残り3mとはいえ、その3cmは上面すべての巾を持っている。3cm×16cmの断面積があるのだ。これは、高さ方向で残り3pとはいえ、すぐに破断する状況かというとそうとも言えない。


 もちろん、危ない状況であることは間違いないしJR西日本の運行最優先、安全軽視の姿勢への糾弾が減るものではないが、メディアが、より大げさに伝えようという意図も感じられる。意図がないなら、技術的記事の作成能力のなさとなる。

 メディアは、自分の主義主張のために事実を寝ず曲げないでほしい。願わくば、事実だけを伝える媒体になってほしいものだ。
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